独り暮らし。80代女性。
昨年春に前任者から引き継いだ
お喋り好きな、でも人にはあまり頼りたくない、そんな方。
足腰も悪く特に膝の屈曲ができない
「今年はもう畑もやめようと思っている」と言われた。
家の近くの畑と一軒隣のビニールハウスで野菜を作り続けていたがどうにも辛くなってきたようだ
「無理はしないで欲しい」とだけ伝える
春、大きな玉ねぎをビニールハウスで収穫。
夏、坊ちゃんかぼちゃを収穫。
その大きさから「坊ちゃん」ではなく「お兄さん」かぼちゃですね、と笑った。
秋、大きな大きな里芋を収穫
知人から「里芋の育て方」を聞いて、その通りに育てたらこんなに大きくなったと自慢げに見せてくれた。
「うわぁ、すごい!!」そんな言葉が自然と出た。
里芋がコロコロ太って10センチ以上もあって、その頭芋は子供の頭位大きく実った
冬、大根や白菜が大きく育った。
「近くに来た時に畑から抜いていけ」「いやいや、それ、畑泥棒で捕まるわ」とまた二人で笑い合う。
近所との関係性は良い。
買物に一緒に行ったり、総菜をたくさん作ったからと持って来てくれる方もいる。
一方で、収穫した野菜をプレゼントしたり、県外から嫁いできたお嫁さんの相談相手になったり、定年になって野菜作りを始めた方の手伝いやアドバイスをしたりもしている。
これから先に不安はある。
心臓も悪い。
膝の手術は進められているが、「頼れる身内がいないから手術はしない」と決めている。
これから先、何があるか分からない。でも彼女の表情は明るい。
私にできる事は何だろうと思いながら、結局は彼女の生き様に勇気付けられて来るんだ。
地域にはこんな素敵な出会いがある