昼食の下ごしらえが始まりました。
”シャキッ、シャキッ””サク、サク””トン、トン、トン”
いい音ととともに、野菜を淡々とキッチンのまな板で手慣れた包丁さばきで切ってくださっております。その光景を見ながら、
”いやあ〜、素晴らしい包丁さばきですね。”
と声をかけると、
”昔はよくうちでもやってたもの・・・。
だけど、今は、旦那が全部やってくれているから私は、あんまりやっていないのよ”
と話されておりました。
”でも、やはり手慣れておりますね。是非、また野菜をカットするとき、お願いしてもよろしいですか?”
そう話すと・・・、
”いつでもやるよ、その時は言って!”
と笑顔で話されておりました。
昔も今も何十年にも渡って、家事を行ってきた経験は体の中に染み込んでおります。台所に立った時に介護職員が行えること等、見守りと少しのサポートだけだと思います。むしろ、その方の素晴らしい一面を目の当たりにし、気づくことや教えられることが多いものです。
台所は女性にとっては、生きがいであり、家族をそこで見守ってきた場所であるとともに、笑顔を作ってきた場所であると思います。その場所でこそ必要なサービスをどのように提供して行くべきか、何がその方にとって、意欲を持って行えているのかをしっかり見守って行くことが介護職員として大切な支援のあり方だと感じました。