それは、お昼には少し早い時間のことです。
お客様が一人、リビングにいらっしゃいました。
誰も居なくて消していたテレビをつけようと、私はリビングへ行きました。
テレビをつけ、その場を離れようとした時にお客様が・・・
「これは、良く育ってる。何て花だい?」
「ええと・・・、あれ?何だったかな・・・名前が出てこない・・・、これ、なんでしたっけ?」
花の名前がすぐに出てこなかったので、私は近くの職員へ。
「シクラメンだよ😄」
「ああ~、なるほど😅」
花の名前がすんなり出てこなかった恥ずかしさに笑うと、いったいどんな名前だったのだろう?と首をかしげるお客様。
「シクラメンですって~」
「🤔??」
少し耳が遠いのもあり、上手く聞こえていない様子。
もう少し大きめに言ってみよう。と心に決め、言葉にしました。
「シクラメンです😀」
「え?きくらげ??」
「いえ、シ・ク・ラ・メ・ンです。」
「ん??」
・・・・・・上手く伝わらず。
見かねた他の職員がお客様の耳元でゆっくり言いました。
「し・く・ら・め・ん」
😮!!
「ああ~。シクラメン。あはは。」
きくらげは食べ物だよな~と笑い合う3人。
「これはいい花だ。」
名前が分かってスッキリした様子のお客様。
「間の草はなんだい?」
そう、シクラメンを挟むように草が生えています。
シクラメンを植えた時に一緒に植えた球根のものです。
どんな花が咲くかも知っているのに、名前がやっぱり出てきません。
スズランの様な花で、スイセンのような葉。
私の声が聞き取りにくいかもしれないと考え、今度はiPadで検索し、
お客様と一緒に花の画像と名前を見ました。
「「スノーフレーク(鈴蘭水仙)」」
やはり、文字を見れば上手く伝わりますね。
そんなお昼前のひと時のはなしでした。
<おわり>
高齢者になると、やはり耳が遠くなる方が多いですが、
全ての方が遠いわけでは無いので、声の大きさの調整が大切です。
聞こえないからと言って怒鳴ってはダメなので、ハキハキと聞き取りやすく伝えれるように。
聞こえないかな?と思って大きめな声で話した時に、実は返事が遅れただけで聞こえていて「きこえてる」と言われた事もありました。
コロナ禍からはマスクがある分、音がこもってしまうので更に声の出し方を考えなくてはならないのかもしれませんね。
また、対面で大丈夫なのか、耳元で話すべきなのか、その人に合った話し方でお伝えしていく事が大切なんだと思います。